Scene 01

DIAGNOSIS

ちょっと古いクルマを
リフレッシュさせる上で、
クラシック・ガレージが何よりも重要視するのは、
オーナーの意向を反映させること。
そのために必要なのが
現状の車両状態を正確に把握すること。
すべてのリフレッシュ作業はそこから始まる。

車齢27年のボルボ240その状態を探る

1990年式にもかかわらず
機関系は良好な状態を保つ

ボルボが140/160シリーズの後継として開発した240シリーズを発表したのが1972年のこと。米国当局により安全開発の標準車両として採用されるなど、同社の安全を強くアピールしたこのシリーズは、その後1993年までという長きにわたって販売された。

1990年式にもかかわらず機関系は良好な状態を保つ

ドイツ車やイタリア車とも違うシンプルでスクエアなスタイル、ボディサイズの割に小回りが効くこともあり、日本でおおいに人気を博した。特にカメラマンやデザイナーなど流行に敏感な人たちや、サーファーといったアクティブ層の支持を集めたことで「ボルボ=オシャレ」というイメージを築きあげたクルマでもある。そして1993年の販売終了から20年以上経つ今でも、全国にオーナーズクラブがあるなど、未だに多くの人に愛されている。

今回、クラシック・ガレージに持ち込まれた240エステートは、1990年に新車で購入された一台だ。走行距離は18万5000kmを刻んでいる。

前オーナーは日頃からなるべく短い距離での使用を避け、乗るときは300〜400kmを一気にドライブするように心掛けていたというから、それも功を奏したのだろう、クラシック・ガレージのスタッフも、ざっと診たところ「走行距離や年式の割に機関系は問題ないようです」と評価した。

また「シートの革もやれておらず、内部のウレタンもへたっていません。これまで240を何台も見てきましたが、これはその中でも極上の状態です」。一方でショックアブソーバーやスタビライザーなど、ノーマルパーツから社外のパーツに変更されている部分も少なからずあった。

ボルボ・カーズ 東名横浜内に用意された「クラシック・ガレージ」。専用の修理スペースを2ベイ用意し、高度な技術を持つ専任のマルチ・スキル・テクニシャンが一人一台を担当。単純に修理するだけなく、オーナーの要望に沿ったリフレッシュメニューを提案する。

今回リフレッシュを施すのは1990年式の240。走行距離は18万5000kmながら、車両状態は良好という。

旧車とそのオーナーを大切にしたい
そんな想いをカタチにした場所

もともとは「どこで直してくれるかわからない」というボルボの旧車オーナーの声がきっかけとなり始まったクラシック・ガレージ。従来はボルボの新車を扱うディーラーに依頼したり、あるいは古いクルマが得意な修理工場を見つけたり、さらには個人で海外からパーツを輸入してカスタマイズするなどしていた人もいた。

旧車とそのオーナーを大切にしたいそんな想いをカタチにした場所

しかし、高い技術を持った専門スタッフの居るクラシック・ガレージが生まれたことで、安心してボルボの古いクルマを預けられる先ができたといえる。たとえばスタッフの一人、阿部はボルボに勤務して30年以上。その間、サービスの第一線で活躍し、知識も経験も格別のものを持っている。

「240でいうと、バックドアだけウインドウが小さい1988年式以前のものに換えたい、というオーナー様もいらっしゃいます。クラシック・ガレージでは単にレストアやリフレッシュ作業を行うのではなく、こうしたお客様のこだわりを実現するために、最初にオーナー様とのディスカッションを大切にしています」と阿部はいう。

この240エステートはオーナーが手放したため、レストアの方向性はクラシック・ガレージが決めることになる。「まずはどんな状態か、どんな整備をされてきたか、不具合はないのかを洗い出していきます」。果たしてどんな240エステートに仕上がるのか。その内容は次回にお届けする予定だ。

エンジンをはじめ、走るために必要な部分にトラブルは抱えていない。そのため機関類は修理ではなく、これから永く乗るための整備が中心となる。内装も新車販売時から27 年も経過しているとは思えない良好さを維持している。とても大切に扱われてきたことがわかる。